環境・エネルギーシステム分析研究室
横浜国立大学大学院 本藤祐樹研究室

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2016年度 博士課程 単位取得退学

高橋 英二 (Eiji TAKAHASHI)
学位:工学士(生物物理化学)・文学士(環境倫理学)・学術修士(環境政策)
資格:技術士(衛生工学)・環境計量士(濃度)・LCAエキスパート・国内クレジット事業エキスパート・エネルギー管理士・公害防止管理者(水質Ⅰ・大気Ⅰ・ダイオキシン)・産業廃棄物設備管理者(中間・焼却・最終処理)・甲種危険物管理者・第1種衛生管理者

研究テーマ

産業連関分析による温室効果ガス排出原単位の推計と
実態反映型食品LCIへの応用

高橋英二

研究概要

 私は、食品会社に勤務しながらの社会人博士課程の研究でLCI(ライフサイクルインベントリ)分析と産業連関分析の2つの手法を用いて、食と一次産業のLCAや日本のカーボンフットプリント制度の発展に貢献したいと考えています。研究内容は具体的には以下の2点です。

1.食飼料関連部門の実態反映型温室効果ガス排出原単位の推計

 私は食料および飼料の多くを海外からの輸入に頼る日本の実態を鑑み、国内での食飼料部門のLCIを行なう上では、海外生産活動の実態を反映し、CO2以外のメタン・亜酸化窒素の発生を考慮したGHG(温室効果ガス)排出原単位を産業連関分析手法によって推計することが必要不可欠であると考えています。

2.食関連部門の実態を反映したLCIの研究

 食材、調理など様々な食関連部門のLCIを上述したGHG排出原単位を用いて、分析評価します。また同一食材や料理など過去からの時系列的な評価を行い、世帯レベルでのミクロな側面から国地域レベルのマクロな側面に至るまでの食部門周辺の環境負荷を定量化し、ややもすると今まで見過ごされてきた食環境問題のホットスポットを顕在化させる狙いです。
 私はこの研究が、食のLCAによる環境負荷の定量把握の精度向上と、「見える化」による消費者の環境配慮行動へとつながり、将来の持続可能な低炭素社会構築の一助となるものと考えています。

学会発表

2005年産業連関表を用いた食飼料部門の海外実態反映型GHG排出原単位の推計
第7回LCA学会研究発表会(東京理科大学),2012/03/08

2000年、2005年産業連関表を用いたメタン、亜酸化窒素排出原単位の推計
第5回LCA学会研究発表会(東京都市大学),2010/03/04

2000年産業連関表を用いたメタン排出原単位の推計と食品LCIへの応用
第4回LCA学会研究発表会(北九州国際会議場),2009/03/06

鶏のからあげにおける冷凍食品工程と家庭調理工程の比較評価
第3回LCA学会研究発表会(名古屋大学),2008/03/01

講演/パネリスト

ifia2012(第17回国際食品素材/添加物展・会議)
おいしさの科学セミナー講演「味の素グループの環境側面からのブランディングと顧客価値創造の取り組み」
(東京ビックサイト),2012/5/25

味の素㈱における食と環境への取り組み~ライフサイクル視点とグリーン購入~
グリーン購入全国フォーラム2010分科会2「食と水からみつめるグリーン購入」
(中央大学駿河台記念館),2010/11/05

「味の素」のカーボンフットプリントの取り組み
IFIA-JAPAN第15回国際食品素材/添加物展(東京ビックサイト),2010/05/21

カーボンフットプリントの取り組み
食と環境セミナー(日本未来館),2010/03/31

LCA日本フォーラム会長賞受賞記念講演「味の素グループ版食品関連材料CO2排出係数データベースの公開」
第5回LCA日本フォーラム受賞記念講演会(中央大学駿河台記念館),2009/01/28

ライフサイクル思考に基づく環境教育パネルディスカッション(本藤准教授と共に登壇)
日本LCA学会・LCA日本フォーラム共催 第7回講演会,2008/09/03

鶏のから揚げにおける家庭調理と冷凍食品工程とのLC-CO2比較評価
第9回日本食品工学会第9回年次大会シンポジウム1,2008/08/05

味の素グループのCarbon footprintへの取り組みのご紹介
日本LCA学会食品研究会カーボンフットプリント講演会,2008/08/01

記事および著作

味の素グループのカーボンフットプリントへの取組
月刊フードケミカル,2011年1月号

諸報 日本LCA学会第10回講演会―LCAの成果と反省、今後の展開-
日本LCA学会誌,Vol7,NO.2APR.2011

加藤他監修、化学工学会編,「実装可能なエネルギー技術で築く未来―骨太のエネルギーロードマップ2」,高橋英二・本藤祐樹,『低炭素社会構築に向けた生産者のカーボンフットプリントを利用した持続的革新ロードマップ』
化学工業社,2010/10

シリーズ誰でも出来る環境活動(27) -ライフサイクルアセスメントとカーボンフットプリントの取り組み(味の素株式会社)-
しんかんきょう(神奈川環境保全協議会),2010年10月号

カーボンフットプリントの動向と試行事例食品企業における事例
日本LCA学会食品研究会,平成20年度報告書 2009/06/19

わが社とカーボンフットプリント
環境管理(産環協),Vol44,NO.12(2008)

3EID対応CO2排出係数データベース(3ヵ年版)
日本LCA学会食品研究会,平成19年度報告書 2008/08/01

加工食品の環境効率の考え方の提案
日本LCA学会食品研究会,平成19年度報告書 2008/08/01

鶏のから揚げにおける冷凍食品と家庭調理との比較調査
日本LCA学会食品研究会,平成18年度報告書 2007/08/10

講義

東洋大学工学部環境建設学科(学部3年 環境建設学演習Ⅲ:特別講義)2006~

学会活動(会員)

日本LCA学会(一般会員・賛助会員),日本技術士会,NPO法人環境文明21,
NPO法人産業環境リエゾンセンター

委員会活動

日本LCA学会企画委員(2008年~)
日本LCA学会研究発表会実行委員(2008年~)
川崎市CO2削減川崎モデル検討委員(2008~2009年3月)
エコプロダクツ展示会環境評価レビュー委員(~2008年3月)
経済産業省カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会実務WG(2008~2009年)