環境・エネルギーシステム分析研究室
横浜国立大学大学院 本藤祐樹研究室

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2011年度 博士課程前期 修了生
鶴谷 昌洋

修了生からのメッセージ

鶴谷 昌洋

 2011年度に修士課程を修了しました鶴谷です。
 本藤研究室には修士課程の2年間在籍し、廃棄物系バイオマスを用いた廃棄物処理、及び発電を行っている事業を事例とし、その環境影響、社会経済影響評価手法についてを研究テーマとしていました。 修了後、学部時代から修士課程において学び、興味を持ってきた分野に丁度重なっていた業界として、技術コンサルタントの一種である建設コンサルタント業界があり、その内、電力部門に強みのある会社に入社しました。
 入社後5年が経過し、出向も2回経験し、
・省エネ関連の条例における行政側の施行補助、民間側での対応。
・発電所の設計業務の受注者としての対応、
 発電事業者として発注・維持管理。
・再生可能エネルギーの補助金について行政側としての交付、
 民間側としての補助事業の実施。
このように、「エネルギー」という共通項のもと、多様な分野・立位置の業務に携わってきました。
 修了後5年が経過し、本研究室のメンバー構成、本研究室で多く題材としている再生可能エネルギーの世の中における位置付けや課題も大きく変わっている様に感じます。 そのため、当時と現在とでは本研究室の様子も異なる点が多々あるかと思いますが、今の私が振り返ってみた所感について述べたいと思います。

1.研究について
 学部時代は別の大学で、環境・都市インフラ等について学んでおり、その中で環境面からエネルギー問題について興味を持つようになりました。 その中でも疑問に感じ、知りたいと思ったことは、再生可能エネルギーは「環境に良い」とされているが「何をもって」良いとされているかということでした。 そうした中で、事業のライフサイクル全体をLCAの手法で評価を行う研究というものがあることを知り、門戸をたたいたことが当研究室に入るきっかけでした。 結果として、上述したテーマにて研究を行い、修了後に学会誌に論文を掲載するまでに至ることが出来ました。修了後も指導いただくというある種変則的な事態の中で最後まで真摯に対応してくださった先生方には感謝の念に堪えません。
 自分が研究・勉学したことについての全般としては、学際的な分野であり、テーマの設定について自由度が高いこともあり、この2年間で身に着けたことは汎用性が高く、幅広く役立てられていると感じています。 ただ、自分の評価対象の技術(私の場合ですと機電系)についての専門的知識がもう少しあればまた違う見方、深い分析が出来たとのではとも感じています。 本研究室にて、研究をしたいと思う人は、技術等の評価手法のみならず、技術的な観点から工学的、事業企画・運営といった観点から経済学や会計学等、専門的な知識を学ぶよう心がけてみるとより良い研究ができると思います。

2.研究室について
 他のOB・OGの方の「修了生の声」でもみなさんが揃って述べていますが、当時は、学部生はおらず、普通学生(修士課程)が約半数、残りは社会人の方々(先生方や博士課程の方々)でした。 そのため、ゼミでは研究職・民間企業の社員を問わず、社会人の方々と触れ合う機会が多くあり、良い刺激を得られました。また、働くという事に対し具体的なイメージを持つことが出来ました。これは当時を振り返ってみてもとても有意義で、幸運なことでした。 現在も、夏の中間発表や、忘年会、歓迎会等、各イベントにOB・OGが多く参加しています。皆さま気軽に応じてくださると思いますので、こういった機会等を通して、研究や就職等について質問や相談するなど、積極的に交流(利活用)することをお勧めします。

3.終わりに
 一般論ではありますが、社会に出てからの時間のほうが長く、学ぶことは多いです。ただ、自分のために学ぶことに専念でき、縛りなく色々な人と接触したりする事ができる時期、場所というのは学生時代しか無く、とても貴重な時間でした。その貴重な時間を有意義に過ごして欲しいと思います。 本研究室の研究内容や、対象にご興味をもたれた方は先生をお尋ねになってみて下さい。 みなさまがより良い学生時代をお送り出来ることをお祈りいたします。


-2017年6月26日 掲載-