環境・エネルギーシステム分析研究室
横浜国立大学大学院 本藤祐樹研究室

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2008年度 博士課程前期 修了生
鄭 日俊

修了生からのメッセージ

鄭 日俊

fig.9 ロンドン、グリーンマーケットにて鄭さん

1.進学の動機
 技術の環境評価に関心があり、評価のアプローチとして客観的な手法による研究をしたいと考えておりました。本藤先生はLCAや産業連関分析に代表されるように、環境負荷を定量的に分析する研究を行っていたため、本研究室への入室を希望しました。
 また、自分と同じように、環境問題に関心がある学生の考えや意見に多く触れたかったため、文系・理系出身者や社会人学生が幅広く所属する本研究室に魅力を感じたことも、入室したい理由の一つでした。

2.研究について
研究では、日本とタイのバイオエタノール貿易によるCO2排出量への影響を分析しました。この研究は、まず日本とタイの産業連関表という統計資料に、新しくバイオエタノール産業を加え、分析用の一覧表を作成します。
そして、その一覧表の行列計算によって得られた係数と環境負荷の原単位を用いてCO2排出量を算出するという流れです。
 バイオエタノールの生産と貿易を行い、既存のガソリン燃料と代替することによって、日本とタイのCO2排出量がどのように変化するか、バイオエタノール産業だけでなく、他の産業への波及効果も含んだ影響を分析しました。

3.振り返って
 私は経済学部出身のため、技術を対象とした研究は容易なものではありませんでした。もちろん入学にあたり、理系科目は勉強してきましたが、やはり工学的な思考力が欠けていました。そのため、エネルギー技術の学習や分析結果の解釈について、多くの時間を費やしました。苦労しましたが、自分にはなかった新しい知見が得られ、視野を広げることができました。
 また、よい先生と研究室のメンバーに囲まれ、貴重な出会いが得られました。研究室はとても仲が良く、修了後も後輩の発表会や合宿などの行事に参加しております。皆の近況や活躍を聞いて、よい刺激をもらっています。

4.学部生の方へ
 明確な研究内容や大学院生活はイメージしにくいかもしれません。一度、本藤研究室に訪れ、先生と話し、研究室の様子をご覧になってはいかがでしょうか。きっと、考えが整理され、研究を具体化するきっかけが得られると思いますし、研究室の雰囲気を感じられると思います。


-2014年1月31日 掲載-