環境・エネルギーシステム分析研究室
横浜国立大学大学院 本藤祐樹研究室

Top > 修了生の声 > 溝口 由華

2012年度 博士課程前期 修了生
溝口 由華

修了生からのメッセージ

溝口 由華

 本藤研究室2012年度卒業の溝口と申します。
修士課程の2年間、本藤先生のご指導のもと、研究させていただいておりました。
その2年間の経験について、紹介させていただきます。

1. 研究室を選んだきっかけ
学部時代は、他大学の理学部生物学科で環境問題の1つであるサンゴの白化を防ぐための基礎研究を行っていました。卒業研究を進めていく中で、自分の行っている研究が実用化されるまでの道のりは長く、もっと社会の中の根本的な解決につながることをしたいと考えるようになりました。そのような視点で修士課程の研究室を探していく中で、本藤研究室に出会いました。

2.研究内容について
 「太陽光ふれあい活動が小学生の節電行動に影響を与えるメカニズムの分析」というタイトルで修士論文を書きました。小学生に太陽光発電とふれあってもらい、その前後でどのような心の変化が現れるかをアンケートによって分析しました。苦労したのは、実験に協力してもらえる小学校を見つけることです。小学校にはどのような活動を行うかの打ち合わせや、活動を見学させてもらったり、アンケートをとったり、何度も通いました。活動を通じて、小学生の意識が変化していくのを間近で見られたことに、とてもやりがいを感じました。

3.研究を通じて得たこと
 (1)小さなことを積み重ねることが無駄ではないこと 小学校での実験を通じて、先生、生徒の皆様が環境問題に興味を持ってくださいました。自分の行ったことで、人の心を動かすことができたということが、本当に嬉しかったです。自分一人が行えることは小さなことですが、その積み重ねが無駄ではないということを実感として学ぶことができました。
 (2)社会のことを考える気持ち 研究テーマは自動的に与えられるものではなく、どうしてその研究を行うのか、というところから始めることとなります。本藤研究室で行う研究は、いずれも技術の社会的価値を考える研究です。社会にはどのような問題があるのかを調べ、その解決のためには何が必要かを考えます。よって、常に、社会にとって良いとはどういうことかを考えつづけながら研究することとになります。社会のことを考える気持ちが自然と身に付きます。
 (3)自分の頭で考える力 研究は、月に1回の先生による指導と定期的に行われるゼミをベースに進めていきます。きちんと考えないままなんとなく説明すると、必ず先生方やゼミメンバーから厳しい指摘を受けることになります。研究を進めていく上では、どのようなデータに基づいてどのように結論付けたのか、自分の頭でしっかり考える必要があります。本藤先生は、学生が自分で答えを導くことを見守り、根気強く付き合ってくださいます。

4.おわりに
 研究を通じて、3.で記載したことを得ることができました。卒業後働きだすと、目の前のことで精いっぱいで忘れてしまうこともあります。ですが、いずれも社会の一員として生きていく上で、必要なことです。本藤先生は、目の前の研究のことだけではなく、学生のその先の人生を考えて指導して下さっているのだと、後から気が付きました。そのようにしていただけることは、本当に貴重なことだと、社会に出てから強く思います。 修士課程の2年間、良い研究を行うという目標に向かって、じっくり取り組むことができました。社会人になると、1つのことにこれほど心ゆくまで取り組めることは中々ありません。このページをご覧の後輩の皆様は、これまでの学生生活で、授業、アルバイト、サークル活動と、様々な経験をしていらしたことと思います。残りの学生生活、本藤研究室で研究に全力を注いでみるのはいかがでしょうか。


-2018年1月22日 掲載-