環境・エネルギーシステム分析研究室
横浜国立大学大学院 本藤祐樹研究室

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2016年度 博士課程前期 修了生
弘中 雄介

修了生からのメッセージ

弘中 雄介

fig. 内定祝いで先輩とご飯に行った際の1枚(左から2番目が弘中さん)

 2014年度に卒業、2016年度に修了した弘中雄介です。 修了後は新卒で外資系システムコンサルティング会社に入り、電力業界のプロジェクトを中心に仕事をしています。ここでは自分なりですが「なぜ本藤研究室を選び」「研究生活はどうだったか」そして「何を得たか」を紹介します。


1. 本藤研究室を選んだ理由
 本藤研究室を選んだ理由を端的に書くと、「ソフト面の勉強をしたかった」になります。自分は本藤研究室に入った学部生としては第1期になります(それまでは修士と博士しかいませんでした)。 当時は学部3年生の秋頃に、学部4年生で所属する各研究室の研究室紹介の時間がありました。当然ですが、理工学部の研究室なのでハード面での研究(素材や合成、化学工学や熱力学などなど)がメインでした。当時は「学部3年間で理工っぽいことは薄く広くやったので、次はそうじゃないことをやりたい」と思い聞いていました(今思えば薄く広くも出来てないですが)。そして本藤研究室の説明ではざっくりですが「この研究室では他の研究室のような実験はやりません。技術の経済面・環境面の評価や社会心理の分野の研究をしています。また今年度が最初の学部生で今は修士・博士・社会人博士だけです」という話をしており、ここだ!と思いました。 修士課程から本藤研究室を選ぶ人とは少し違う観点かもしれませんが、ハード面じゃないことをやりたい、技術に対して少し違う側面から関わりたい、という人にとっては本藤研究室は良い選択肢の1つになると思います。


2. 1+2年間の研究生活
 本藤研究室では基本的に毎週ゼミ発表の時間があり、その中で他分野(産業連関分析をベースにした経済・環境評価)の発表と自分の主な分野(介入実験やアンケートを用いる社会心理)の発表が入り乱れていました。そしてどの分野の発表であっても全員がコメント・質問をしてキャッチボールが行われていました。それぞれが異なるバックグラウンドを持った上で、目の前の発表、さらに言えば同じ研究室の別の研究にも前のめりに関わっていたと思います。自分の分野にこもらず、幅広い知識を吸収していく雰囲気というのは研究生活を過ごす中で非常にポジティブに働いていたと思います。学部では最初から先輩達と同じレベルでのキャッチボールをすることは難しいですが、少なくともその景色を見ていることで他分野についての興味や知識を持つきっかけになり、修士ではなるべき有意義なキャッチボールをしようという姿勢で論文紹介の題材を読んだり、研究の進捗報告の資料を読んだりしていました。


3. 本藤研究室で学んだこと
 本藤研究室で学んだことは「自分の担当外にも積極的に関わっていく姿勢」「自分でコントロールする大切さ」の2つです。 1つ目についてですが、同じ研究室の中に異なる分野の研究者がいて、週に1回はその人達とキャッチボールするという環境は自分の守備範囲を大きく広げ、その楽しさを感じさせてくれました。社会に出てから同じ島に異なるチームがいるという状況は多く、その時に他チームとコミュニケーションを取り、プロジェクト全体の流れを自然と把握するようになっているのは、研究室時代の「他領域を知っていると楽しいぞ」という感覚がベースだと思います。2つ目の「自分でコントロールする大切さ」ですが、個々人の興味と研究室として進めていきたい研究のバランスを非常に大事にしているのが本藤研究室だと思います。自分自身も研究室として進めている分野から社会心理分野の研究を選択してからも、介入実験の手法などは先行研究を調査し、手法を考え、本藤先生を含めた研究室の同僚と相談しながら研究を練って行きました。当たり前と言えば当たり前ですが「研究」をする以上、1つ1つ全てを誰かの指示に従うのではなく、自分の頭で考えたものをベースにするべきだと個人的には思っています。その際に、自分の興味やリソースを把握し、コントロールするということが、研究を進めていくためには不可欠なのではないかと思います。仕事をする中でも自分の裁量の範囲を把握し、その中で最大限のインプット・アウトプットを考えていくという意識をしており、これは研究室時代の感覚がベースになっています。本藤研究室はやろうと思えば色々なことを学び、実践できる研究室だと思います。積極的に自分の守備範囲を広げていき、裁量をコントロールできる人にはうってつけの選択肢だと思います。


4.最後に
 本藤研究室の魅力というのはそれぞれのバックグランドや研究生活の過ごし方人によって違うとは思いますが、それだけ様々な魅力が詰まっているということだと思います。 今、本藤研究室が進学・進路の選択肢の1つとなっている人はぜひ、本藤先生とコンタクトを取ってみてください。


-2019年9月30日 掲載-